イルカ先生に手順を踏んで交際を申し込み、『恋人同士』になって早一週間になる。
今日も今日とて先生の笑顔はマイナス百等星ぐらいの輝きを放ち、直視するのも一苦労だ。見るけどね、写輪眼だって回しちゃうけどね。
イルカ先生に一番近しい友人から恋人にランクアップした俺は、
初めて会った時からずっとしたくてたまらなかったことを少しずつさせてもらっている。
お付き合い初日に唇を味わい、一昨日ようやくイルカ先生の咥内を知った。
どちらもイルカ先生の部屋でイタした。あれ以上の至福を俺はまだ知らない。
勿論その先をすればもっともっと幸せになれるのは知っている。
そう、ご存知の通り俺達は良い大人だ。その先をしても別におかしなことはない。
深いキスの後にその続きを求めちゃうのは自然の摂理だし、
二人とも自然と引き寄せられていった。
――アイツさえ邪魔しなければ、そのまま流れで持っていけたのに。
アイツ、とは別にタンポポ頭の元気な部下でもイルカ先生を溺愛している舅代理でもない。
むしろ生物ですらないのだ。
ヤツの名は『KONO-Fit/Color:Puple【CoolType】』、
いかつい名前をしているが平たく言えばただのパンツである。
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抱き締めた体は布越しにも熱を持っていて準備万端、
右手をそっとアンダーシャツの内側に這わすとイルカ先生はピクピクと小刻みに反応して、
それが俺の支配欲を大いに刺激した。
乳首で感じるんだ、嬉しいなと単純に思った。
密着しているせいでその色は確認できなかったけど、
形や感触は記憶喪失になってもそれだけは忘れないくらいしつこく弄り倒した。
イルカ先生は親指と人差し指の腹でキツめに抓られるのが好きらしい。
鼻から抜ける声に甘さが篭っている。
右の乳首はそのまま指で悪戯し、左の乳首に愛撫を与えると
先生はかかしさん、かかしさんとたどたどしく俺の名を連呼した。
あれヤバいね、ふはふはと息を荒くしながら自分の名前を呼ばれるのが
あんなに破壊力を持つだなんて初めて知った。雷切よりも強いんじゃない?
我慢が利かなくなって、ついに俺はイルカ先生のお尻に手を伸ばした。
「・・・あれっ」
パンツの隙間から指を入れようとしたけれど入らない、
それならとずりおろそうとしたけれど大きくなった先生の息子さんに引っ掛かってうまくいかない。
二人の間に何とも言い表せない沈黙が訪れる。
パンツはその後下がったけどそれは先生のが萎えたせいで、つられて俺のも力をなくした。
一昨日はそれで終了。俺はその夜自宅で枕を濡らし、翌朝パンツも濡らした。
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そして今、イルカ先生の出勤後自宅にお邪魔してタンスを点検させてもらっているところだ(七班の任務?そんなの知らないなー)。
本当は昨日すぐにでも確認したかったのだけど、
どうしても抜けられない上忍の任務が入ってしまい今日までずれ込んでしまった。
三日掛かる任務をさっさと終わらせて今に至る。
報告はまだしていないから俺が木の葉に帰って来ていることを誰も知らない。ピンチをチャンスに変える男、それがデキる男はたけカカシ。
デキる男の肩書きよろしくビシッと見当をつけてオープンした上から二段目の引出しには、
ピッチリとフィットするタイプの変わったボクサーパンツが詰まっていた。
どれもKONO-Fitブランドで色や柄が違うだけ、所狭しと並んでいる。
この無駄なフィット感のせいで一昨日は――腹の底でぐらぐらと感情が煮えたぎった。
俺のなすことは一つだった。上忍の腕力と絶妙な力加減を用いて、片っ端からパンツを左右に引っ張る。
腰の部分がびろんびろんだと全部捨てちゃうかもしれないので、太もものパーツをとにかく引き伸ばした。
効いているか俺の大胸筋よ、上腕二等筋よ。筋トレも出来て一石二鳥、否、パンツへの恨みも返せるので一石三鳥だ!
「な、何してるんですかーーーー!!!!」
謎の興奮状態に陥っていた俺の背後で上がる悲鳴。忘れ物でもしたのか予想外の帰宅を果たしたイルカ先生は、
奇異なものに対する目をしてパンツを離さない俺を見つめた。
お腹に妖狐を飼うナルトを受け入れたイルカ先生なのに、
自分のパンツを持った上忍は受け付けないのだろうか。
「ちょっと、ホントやめてください!!パンツ壊れるじゃないですか!」
かばうのか、貴方は結ばれるはずの恋人よりもパンツを優先するのか。
発見されたショックと先生の発言により俺の頭には完全に血が上ってしまった。俺は吼えた。
「壊れればいい、この世からパンツなんて消えてしまえばいい!!!
これさえなければ俺達は繋がれたのにーーー!」
イルカ先生は数瞬呆然として、そして我に返ると顔を赤くして俺に負けないくらいの声量で怒鳴った。
「そ、そんなの『脱いで欲しい』って言えば済む話じゃないですか!!!」
・・・・・・え、それで良かったの?
肩で息をする俺とイルカ先生はお互い恥ずかしくなって、それぞれ無言で仕事に出掛けた。
ナルトには「カカシ先生とイルカ先生の声ここまで聞こえてたってばよ!で、さっきの何の話?」としつこく訊かれるし、
サクラにはやけにキラキラした目で見られるし、サスケはさり気無く自分のパンツを守ってるし。
心配しなくてもお前のパンツなんか奪わん、実兄に渡せ。
子供達を引き連れて受付に任務依頼書を貰いに行く。ついでに昨日の任務の報告書の提出も済ませてしまおう。
受付にイルカ先生はいなかった、今日はアカデミーだから当然だ。
火影様が隠すことなく怒気をぶち当ててくるのを華麗にスルーして恒例のネコ探しに向かう。
作戦をサクラに任せたおかげで昼過ぎに終了してしまった。
解散を告げるとナルトとサスケはさっさと修行場に駆けて行ったが、サクラだけが残っている。
「あれ、サクラは行かないの?」
「カカシ先生、KONO-Fitの下着ショップは西区にある木の葉デパートの五階らしいですよ」
会話は噛み合っていないのに、言いたいことはは十分に伝わった。
「んー、三ダースくらい買ってけばイルカ先生も呆れて許してくれるかねぇ」
「木の葉デパートの地下一階で雷の国の物産展やってるそうです。ご当地ラーメンとかも売ってるみたいですね」
まったく、賢い部下である。
「ありがと、恩に着るよ」
「私漆黒堂のクナイ磨きが欲しいです」
「・・・分かった、買っとくよ」
嫌なくらい抜け目のない部下である。
サクラがサービスで報告書を提出してくれるというので、俺は西区に走った。
その夜「脱いで欲しい」というお願いにイルカ先生が答えてくれたかどうかはご想像にお任せする。
2222リクがなくてショボーン(´・ω・`)としてたところ、拍手でせんよさんが2229申告をしてくださり、「書かせてくださいー!」と泣きついたのであります。
リクエスト内容は
【イルカ先生「ちょっと!?やめてください!!パンツ壊れるじゃないですか!!」
カカシ先生「壊れればいい。この世からパンツなんて消えてしまえばいい」
…っていう感じのお話】でした!
書いてる最中もどんなネタを仕込むか考えるのが楽しかったです^^
せんよさん、ステキなリクエストありがとうございました!