よそのお宅の下半身事情を把握したカカシさんのお話

 上忍たるものインターネットだって使いこなす。
 ある夏の日、サクラから「オススメですよ」と渡されたURLに接続して俺はびっくりした。
「野菜でこんなことが……」
 それは別の世界の俺の話だった。
 世の中が『平行宇宙』で成り立っていることは皆さんご承知の通りだが、いざこうして目にしてみるととにかく驚くことしか出来ない。
 ある世界に生きる俺は天才だった。
「イルカ先生と野菜プレイだなんて考えたこともなかった……!」
 俺達のセックスなんて彼らと比べたらありきたりだ。
 身ひとつで海へ行きタコとイカとクラゲで触手プレイ、
エロい下着を半端に下ろしたイルカ先生の股間を一晩中見つめ続ける視姦忍耐プレイ、
先生のお尻の穴にホースを挿して、反対側に俺のモノを突っ込んで長距離射精etc...
 野菜を突っ込んだら俺のイルカ先生はどうするだろう。
 締りのいいお尻は野菜くらいなら粉砕しちゃうかもしれない。
 上手い具合にハマって抜けなくなって、「カカシさん、んうぅ」なんて呻いてくれるかもしれない。
 ああどうしよう、考えただけで楽しくなってきた。
 けれどそっくり真似ても面白くない。オリジナリティを追求したい。
 たとえば何だろう?
 セロリ?
 あの葉っぱの多い野菜が後ろから生えてるのは見てて楽しいかもしれない。ゆさゆさ揺れて、そこに短冊掛けて怒られたい。……あ、もう七夕過ぎてるか。
 オクラ?
 ネバネバプレイか、山芋だとかぶれそうだしね。でもこの間ローションでやったしなぁ。
 大根、カブ。
 ……先生の後ろ壊れるかもしれない。これは保留。
 どれもいい線いってるけどいまひとつピンとこない。
 野菜図鑑をペラペラめくりながら、これでもないそれでもないと野菜を選別していく。
 載っているのは平凡な野菜ばかりだ。
 トマト、じゃがいも、ネギ、えんどう豆。
 ん、えんどう豆?
 ぷりっぷりのえんどう豆。ちょっとお高いのは身がとても大きい。カラッと揚げても美味しい。
 ちょっと嫌がる先生のお尻に詰め込んでみたりして。
 俺をうごうごと締め付けるイルカ先生の名器が排泄の働きをしたりなんかして。
 ぷりんとした桃尻から生まれ出て第二の豆生を歩み始める遠藤親子。恥ずかしがる先生に構わずアテレコなんかしちゃったりして。
「綾子(仮名)、うみのさんからこうしてまた生まれたんだ、俺達やりなおせないか?」
「あなた……!」
「父ちゃん母ちゃん仲直り?」
「ああ、これからもずっと一緒だ!」
 こ   れ   だ   !   !


「八百屋さん行って来ます!!」
「は、はい。いってらっしゃい……」
 イルカ先生の戸惑いの声を後に、俺は胸と股間を期待に膨らませたまま街へ駆け出した。



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