【覚悟のキス】
敵に包囲された中でイルカ先生と俺は苦し紛れの結界を張り、最期のキスを交わした。
「イルカ……」
「カカ…ん……」
角度を変えて何度も口内を互いに貪る。
熱いとか冷たいとかもうそんなのそっちのけで夢中になる。
「好き…生まれ変わってもずっと……」
「ふ…破ァ………」
その瞬間、結界外の敵が全て吹っ飛び絶命した。
火の寺生まれって凄い、改めてそう思った。
【甘い時間】
イルカ先生の力で九死に一生を得て、俺達は無事里に戻り休暇を貰った。
「いいでしょ?」
「まだ明るいから……」
「待てないよ、こんなだもん」
俺は硬くなった下半身を先生に押しつけた。
「もう…駄目ですって破゙ァ」
イルカ先生の体が蒼白い光を放ち俺は吹き飛ばされた。
火の寺生まれって凄い、改めてそう思った。
【夜の営み】
夜が更けた所でいつも通りイルカ先生に猿轡を噛ませ、俺達は久し振りの愛の行為に耽った。
「せんせ、キスするけど声出さないように頑張って」
先生がこくんと頷いたのを確認し、俺は猿轡を引き下ろしてねっとりと熱い舌を絡めとる。
最後の一滴まで出し切って朝を迎えた。
そんな訳で俺達の愛の夜に会話はない。
【馴れ初め】
酒を酌み交わしていると火の寺の生まれなのだとイルカ先生が話してくれた。
特別な力を持っているのだとも。
「じゃあその不思議な力で癒してよ、疲れてんの」
それは単なる軽口だったのだけど。
イルカ先生は困ったように小首を傾げておずおずと両手を前に出した。
「は、破ァとまーく」
彼の手で象られたハートの中心の蒼白い光に俺の心臓は撃ち抜かれた。
火の寺生まれって凄い、初めてそう思った。
【終焉】
安全な夜の生活を営むために、俺は2ヶ月火の寺で修行し念波を修得した。
「喘いでも俺が同じ大きさの念波ぶつけるから!」
「ふ、破ァんっ」
「破ァッ」
ぶつかりあったエネルギーは天井を抜け空の彼方へと飛んで行った。
マダラが何者かに出自不明のエネルギー弾で暗殺されたと噂になっているらしい。
火の寺ってヤバい、改めてそう思った。